2015年10月3日土曜日

デジタル・スタディーズ3 メディア都市  石田 英敬 編, 吉見 俊哉 編, マイク フェザーストーン 編 ISBN978-4-13-014143-7, 判型:A5, 364頁



デジタル・スタディーズ3 
メディア都市 

石田 英敬 編, 吉見 俊哉 編, マイク フェザーストーン 編
ISBN978-4-13-014143-7, 発売日:2015年10月中旬, 判型:A5, 364頁

内容紹介
遍在化するデジタル・メディアによって,閉域としてあった公共空間や私的空間に孔が穿たれる.その孔を通じて内と外が繋がっていく多孔的なデジタル=ネットワーク都市の輪郭を,メディアと都市の相関やグローバルな資本主義の地政学を俎上に精査する.【シリーズ全3巻完結】

" 今日、デジタル技術はビル壁面から携帯端末までのデジタル・スクリーンとして爆発的に増殖し、都市になかに拡散しているだけではない。より重要なことは、地理的・建築的な空間であるはずの都市そのものが、実質的にデジタルな空間として再編成され、メディア空間と建築空間の境界線を限りなくぼやけさせていることだ。つまり私たちが経験しているのは、様々なメディアが都市のなかに溶け出していった状況という以上に、都市がメディアのなかに溶け出していく状況なのである。たしかに前者であれば、すでに二〇世紀初頭から、多くの都市が経験していたことであった。たとえば当時、安手のニッケルオデオンから豪華なグランドパレスまでの異なるタイプの映画館が盛り場に建てられ、やがては近隣の商店街にも建つようになった。映画館以外にも、何らかのイベント開催に際し、学校の校庭や街の広場、スタジアム、寺院境内などに仮設スクリーンが設置され、映画が上映されていた。このようにスクリーンが日常の風景に入り込んでいくことで、私たちの眼差しはそれぞれが身を置く場を超えてしまう。だがやがて、スクリーンは映画館やお茶の間のテレビといった局在性から解き放たれ、屋外スクリーンから膨大な数の携帯端末まで、都市の至るところに遍在化していった。さらにそれと並行して、都市の建築物そのものが、建築的というよりもメディア的、とりわけデジタル的な論理によって建てられていくようになった。これらは段階を追って生じた継起的なプロセスというよりも、構造的に結びついた都市の構造変容の異なる位相であった。.... " (吉見俊哉 序章「はじめに」)

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