https://www.youtube.com/watch?v=21gYp53Z4X8
みなさんこんにちは。
東京大学の石田英敬です。
1「学者の会」
私は、「安全保障関連法案に反対する学者の会」の呼びかけ人の一人として、全国の100以上の大学有志の会、SEALDsをはじめとする多くの学生たちとともに、「安保関連法案」に反対してきました。
「学者の会」は現在一万三千七百人以上のあらゆる分野の学者が賛同署名を寄せ、一般署名を合わせると四万三千人以上の署名が集まっています。この日曜日には、SEALDsとの共同で新宿歩行者天国で街宣活動、1万2千人以上人びとが伊勢丹前道路を埋め尽くしました。
総がかり行動の、8.30、100万人アクションに示されたように、
いまかつてないほど、安保法案に反対する声が拡がっています。
これらのデモが、「国民の声」を代表しているという世論調査結果も出ています。
あの自民党べったりの読売新聞系列のテレビの世論調査でさえ、「安全保障関連法案に反対するデモが、法案に対する国民の意識を代表していると思いますか?」に対して、「思う」が明白に多数を占めています。
これは、つまり、いまこの場にこのように集まって、安保法案に強く反対し、拙速な成立に反対している声は、国民の「多数派」の声だ、「マジョリティー」の声だということです。
「答弁をすればするほど信頼を失っていく」政府の声に、今や政治的代表性はなく、法案に危惧を表明し、反対の声を上げている人びとの声こそが、「われら日本国民」の声だということです。
「私たちが国民だ!」という声が、今、日本中から沸々と沸き上がり、この「法案はよくない」、「成立させてはならない」と日々その声は大きくなっているのです。
憲法学者たちはこぞって今回の法案が「違憲」であると反対している。歴代の内閣法制局長官も、元の最高裁判事も、そしてついには元の最高裁長官までもが、メディアに登場して明確にこれは「違憲である」、我が国の「法秩序」を揺らがせると強く批判しました。
これは、今回の法案に関して政府に〈正統性〉がないことを意味しています。
憲法違反の法律を力づくで成立させることは、「憲法にもとづく政治」という「立憲主義」の大原則の破壊です。
憲法違反の「集団的自衛権」行使容認は、戦後日本の「最も大切な価値」である「戦争をしない国」の破壊です。
「戦後七〇年」の今年、「戦後レジームから脱却」を主張する勢力が、なりふりかまわぬ「解釈改憲」、「立憲主義」の破壊、「平和主義」の破壊を行うことは歴史上断じて許されることではありません。
安倍政権のやり方は、この上なく危険なもので、「クーデタ」と呼んでもよい「民主主義の危機」を意味しています。
きょう、新聞テレビでは、自民党総裁選で野田聖子さんが出馬を封じられたと報道されています。自民党のなかでさえ、自由な論議ができない。少数意見が圧殺される。政権党の「翼賛化」が進んでいることをさらけ出しました。
それをやっている同じ人たちが国を動かしているのですから、
「理屈」や「議論」ではなく「数の力」で支配しよう、力づくで「沈黙」させようという露骨な方法がまかりとおっています。
これこそ、政治権力の「独裁」化です。
それと表裏にあるのが安倍政権の「知的貧困」、「論理」と「理屈」の後退です。
先日首相は、国会審議には出ないで、わざわざ関西まで出かけていって、自分に都合のいい民放のバラエティーに出て法案を「説明しよう」としました。これは、「国会」に対する「侮辱」、「国民に対する侮辱」です。私たち国民は、侮辱されている、のです。
3「Take back Democracy」
本当にヒドイことが起こってきている。
だから、あらゆるところから、これはおかしい、危ない、危険な方向に行きつつある、という声が上がりました。
「女性たち」が、平和な生活を送る権利、幸福を追求する権利が、あぶない、ということで声を上げました。
なにより、「若者たち」が、勇気と尊厳をもって「おかしい事はおかしい!」って言い始めたんです。高校生たちは先日、新宿歩行者天国で、「裸の王様だれだ! アベだ!アベだ! 」って声を上げてました。
国会が機能せず、代議制民主主義が機能しなくなったとき、国民は、「デモクラシーは」、「ぼくたち、わたしたち」なんだ! て声を上げる権利を持っています。
いろいろなコミュニケーションを使って「直接民主主義」と「代議制」とを新しいかたちで組合せて、新しい時代のデモクラシーを創り出していこうという動きが今世界でも拡がっています。
いまこの国の政治の現状は絶望的で悲惨ですが、それを乗り越える大きな動きが国会の外で確実に始まっています。
標語は、Take Back Democracy ! (民主主義を取り戻す! )です。「総がかりで民主主義を取り戻す!」です。
若者たちが沈黙を破ったように、私たちに今必要なことは、「おかしい事はおかしい」ということ、勇気をもって、この声をもっともっと大きくしていくこと。「沈黙させよう」という力をはねのけて、私たち自身の普通の言葉で、みんなで語り合い、声をあげましょう。
国会前でも、ここ新宿でも、いま民主主義がヴァージョンアップされようとしている。
デモの文化も刷新されて、これが「私たちの憲法だ!」と、「民主主義ってこれだ! 」って声を上げて、新しいリズムで、フツーの日常のコトバで語られ始めているじゃないですか。フツーの気持ちでデモに出るようになったじゃないですか。新しいデモクラシーのコトバとアクションが「発明」され始めたではないですか。
この法案を「廃案に!」、「本気で止められる!」と思います。「強行採決絶対阻止!」です。もう一息です。
そして、 まだまだ、この運動は大きくなります。
自民党は、三割で七割の議席を持っているだけなのですから、もっともっと、運動を盛り上げていって、
アベ自民党から民主主義を取り戻しましょう!
学者も皆さんとともに戦います。現政権の「野蛮」と戦います!
世界中の、戦争で、独裁で、苦しめられている、難民、子供、女性たち、マイノリティーの人びとと連帯して、世界中が「戦争をしない国」になるために、ともに力を合わせましょう。
頑張りましょう!
2015年9月8日 「安保法制に反対する学者の会」 石田英敬でした。
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